東京高等裁判所 昭和59年(ネ)2350号 判決
ところで、訴外東京急行電鉄株式会社(以下「訴外東急」という。)と被控訴人との間の賃貸借契約の目的となった(二)の土地は、前記のとおり純然たる土地というよりは本質的には東京急行電鉄東横線の鉄道高架橋下の施設であり、前記≪証拠≫によれば、賃借人である被控訴人はこれに使用目的上(住宅とされていた。)必要とする造作をすることができるが(五条)、訴外東急の必要に応じてその一部を取り毀すことに協力すること(六条)、天災地変その他非常の難により被控訴人が右施設を使用することができなくなったときは賃貸借契約は当然消滅するものとされ(八条)、また賃貸期間は一応三年間とされているが、賃貸期間中訴外東急の鉄道事業の遂行上必要のあるときその他やむを得ない事由のあるときは賃貸借契約を解約することができるものとされ(一一条)ており、これらの事実に照らせば、(二)の土地上(正確には、前記のように鉄道高架橋下設備)には被控訴人所有の建物の一部が存在するとはいえ(この事実は、≪証拠≫によりこれを認めることができる。)、右訴外東急と被控訴人との(二)の土地の賃貸借契約は、借地法の適用を受けるものと解することはできず、被控訴人と控訴人河本との間の転貸借契約の目的となった本件土地についても、もともと右のような性質を有する(二)の土地の一部にすぎないものであって、右転貸借契約についてもそれが一時使用の目的であったかどうかにかかわらず(もっとも、前記一の1、2認定にかかる本件土地の転貸借契約締結の経緯、転貸借期間、念書の存在、本件土地の使用の態様、本件土地上の控訴会社の工作物の構造等に照らせば、一時使用の目的であったと認めるのが相当であり、この点からしても同様である。)借地法の適用はないものと解するのが相当である。
(西山 越山 村上)